教祖 2023-08-06 19:34:26 |
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(了解しました。こちらこそ宜しくお願い致します。)
…今しがた、座長からお聞きしました。
(演目を終わらせ、舞台をようやく降りるなり唐突に引き寄せられて耳元で囁かれた刹那。反射的に肩が小さく震えたが、間近の藍に穏やかながらも真っ直ぐな黒曜石の眼差しをゆっくりと向ける。自身の耳を擽る妙に甘い声からは、少なくともではあるが敵意や殺意は感じない─無意識に庇っていた弟の腕を安心させるように撫でてやり、自身の右腕で身に纏っている着物の裾を控えめに掴んだ。─にいさん。と大事な弟の声が反対側の耳元で微かに響いた気がして、何気なく頷いた後はいつものような柔らかい微笑みを浮かべながら、眼の前に居る藍色の瞳をした見目麗しい新たな"主人"を見据えておずおずと口を開き)
…貴方が、僕の新しい主人…なんですね。
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