社長 2023-07-13 18:59:54 |
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>>111 萩沼さん
、─── あ。お疲れ様です。
この子萩沼さんのうちの子だったんですね。
( 来ないなあ、忘れ物なのかなぁ。と事務員に届け出ることを視野に入れ始めた頃。ふと此方に掛けられた声にぱっと蘇芳色の瞳を上げれば、そこにはカラスの濡れ羽色の髪をイマドキ風にワックスで遊ばせ此方を訝しげに見つめる髪と同じ色の瞳の青年。─── たしか、紫音ちゃんと同じバンドの人。ギターで、作曲家。人見知りって聞いた。ボーカロイドで曲を作ってスカウトされた人、汗かいてる、外に居た?タバコの匂い、外の喫煙所。一瞬で自分の頭の中の人物帳をパラパラとまくれば彼の情報を引き出して、なるべく警戒をさせないように人懐っこい笑顔を浮かべる。にこはよいそょ、と椅子から立ち上がれば「 びっくりさせちゃってごめんなさい、萩沼さんと同じシグプロ所属の弘美にこと言います。誰も居ないのにこの子だけ置いてあったから、何かあったら大変だから勝手に隣にいちゃいました。 」と蘇芳の瞳で隣にあるギターケースと鞄を見やった後に勝手にごめんなさい、と言いたげに眉を下げて笑って。 )
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