ゆっち 2023-07-06 00:23:07 |
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「……そうだなぁ……そんときは……まァ……」
(相手の質問と柔らかい笑みに隠された殺気を感じた癒那は、再び少しばかり俯いて考え始める。しばらくして、ゆっくりと頭を上げた彼女の顔は月明かりが逆光となって表情が見えない。次第に顔を隠した影は、佇む癒那の体を覆うように広がり、まるで周囲の暗闇に溶け込んでいく。そして、血のように紅く得体の知れない闇を湛えた瞳だけが暗闇に残り美浜を見据える。)
「アンタも……アタシの『獲物』になるだけだ。」
(隠していた力の一端を見せるかのように、得体の知れない怪物ような雰囲気を纏った癒那は、暗闇の中で少し笑みを作ると、寒気を覚えるほど不気味な殺意を込めた声色で相手の質問に答えた。)
「……とは言っても、もし本当にそうなったら面倒くさくて逃げちゃうだろうね~」
(そうして、美浜の敵意に彼女なりの答えを出した癒那は、再び先刻の気の抜けた様子へと戻り、いつの間にか周囲の暗闇も周囲を満たしていた殺気も綺麗さっぱり消え去っていた。)
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