グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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─── …そうだわ!私のお気に入りに連れて行ってあげる!
( 暫く…といっても微々たる時間だが、突然パッと思いついたかのように表情を明るくすればアリシアは彼女の手をやんわりと握ってにこにこふわふわ微笑み。初めて会ったときに連れて行ってもらったカフェはとっても素敵だけれど、でも〝自分と彼女〟には少しばかりお綺麗すぎる。アリシアはぱちん、と1度だけ白魚のような指を鳴らせば彼女の美しい純白のドレスは女性らしい体のラインを強調させるようなタイトミニスカートドレスに黒いピンヒールに変わり。「 こっちよ。 」いつもの天使様の顔ではない、現世で遊ぶ時のようないたずらじみた妖しい笑顔を浮かべながら彼女の手を引けば、暫くして着いたのは裏路地にある人間界の薄暗いバーで。「 大きい音だから、気をつけてね。 」と慣れたように酷く落書きのされた扉を開けば、その中は耳を澄ませなければ隣の人の声すら聞こえないのではないかという爆音の音楽に露出したドレスの女たち、それから部屋の中を充満する酒とタバコの匂いという人間の欲を煮詰めたかのような空間で、アリシアは迷うことなく彼女の手を引きながらその中をスイスイ進んでけば何やらしっかりとした身なりの紳士と2,3言話した後にその中でも酷く上等な扉の中へとさらに進んでいく。─── ここはアリシアの〝遊び場〟。この店のVIPルーム。上等な赤いベロアの柔らかいソファにテーブル、豪奢なシャンデリア。おそらくこの後先程の紳士が上等なワインを持ってくるだろう。「 お気に召した? 」とくるり、とようやく彼女の方を振り向けば、ふふん、と自慢げににっこり笑って。 )
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