グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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…オーケー。取引成立だな、アリシア。
(ジャスティスはその甘ったるい声と笑みに呼応するかのように唇の端を歪め、尻ポケットから携帯電話を取り出すと何処かへ掛けた。電話をした相手は二人、一人は拷問課の、元天使の同僚─要するに「今日はもう仕事を入れるな、もし入れたらお前でも容赦なく潰す」という旨の一方的な連絡。そしてもう一人は、今教官天使たちに囲まれているであろう例の少年─事情を知っている天使が一人いるから、その一人は彼の対人スキルでも無駄だという報告。どうやら同僚からは何故急に、という困惑とまあお前だしな、という諦めの、少年からは「そうですか、わかりました」とのごく簡易な反応が返ってきたらしく、ジャスティスは通話を終了して携帯電話を切った。「ま、アイツなら天使サマでもそれなりの立場まで行けンだろ。アイツ、アリシアと同じで外面は良いからな」若干冗談めかしつつそう笑い、「…何なりとお申し付けを、アリシア?」うっすらと青年紳士の仮面を被ったジャスティスはアリシアの手を優しく取る。─まァ、金なら腐る程余っている。どんな高級ディナー、高級な品を要求されようと金ならある。…ま、『それ以外』でも高等悪魔の自分にとっては問題はない訳だが─さて何を言い出すか、とでもいうようにアリシアの様子をそれとなく伺ってみて)
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