グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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わ、……うふふ。
( まるで子供にするようにぱし、と頭を叩かれればぱち!と瞳を丸くしたあとになにだかくすぐったい気持ちになればくすくすといつもの綺麗な笑みとは違うどこか幼さの残るくしゃっとした笑顔を浮かべて。幼いころから完璧な天使様だった自分をこうしてくれる大人など居なかったたためか、それともこうして軽口を叩き合う友達などいなかったためか、そわそわと胸の擽ったさを感じては不思議な気持ちになる。……と、ふと廊下から声がすれば入ってきたのはよく見知った天使の─── 否、元天使の後輩。きっと心苦しいだろうにきちんと会釈をしてくれるあたりやはり根はいい子なのだなと微笑ましいくなる。何やら2人で話しているのを入ってはいけないかしらとぽつんと離れたところで眺めては、こちらに視線を向けられたのを感じてにこりと微笑みながらひらりと手を振ってみせる。そうしてまた二人で話しているのを眺めた後に、こちらに向き直った彼に「 えぇ、またね。 」と先程の無邪気の笑みとは違う落ち着いた上級天使の微笑みを浮かべれば部屋を飛び出してしまう彼の背中をぼう、っと眺めて。「 ちゃんと挨拶してくれるのね……。 」ぽそり、とさくらんぼ色の唇からこぼれた言葉は紛れもない本心で、別に全然無視してくれても気にしないのになぁなんて言いたげな意味を含んだその言葉は当人に届く訳もなく血にまみれた部屋に紛れて。 )
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