グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
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アー、そうだなァ。ハハ、相談してみるか?
(ここで働けるか、彼女はアリシアのそんな冗談めいた言葉に笑いながらそう返す。─コイツじゃ罪人共が皆使い物にならなくなっちまう─ナシだ。脳内でそう結論付けた彼女は相変わらずケラケラと笑いながら「冗談だよ、冗談」と口にし、微笑むアリシアの頭を、子供にするかのように軽くぱしりと叩いた。その時、3号室の扉をノックする音と「入るぞ、ジャスティス」と若い男─元天使の同僚の声が聞こえる。返事代わりに彼女がブーツのヒールで床を二、三度蹴ると、彼が小さく扉を開けてその隙間に滑り込むように入ってきた。彼は罪悪感か、それともそれ以外かでアリシアの顔を出来るだけ見ないようにしているのか、顔を伏せたまま小さく会釈をしてその前を通り過ぎ、ジャスティスの方へ一直線に向かっていく。そうしてその耳元に「廃棄係から聞いたぞ。…なんでも酷い有り様だったとか…アリシア様、じゃない…そこの天使、に『拷問体験』させたんだって?」とひそひそ囁いた。ジャスティスは普段と何ら変わらない調子のまま、特に悪びれるでもなく彼に「あァ。させたぜ?そのために殺していいヤツ用意しろって言ったンだよ。…あ、そういや。このクソ天使サマ見てて思いついたんだけどよ、テキトーなクソ天使サマ生かしといて、クソ野郎共がゴネるときに使えねェか?」と、あろうことか呑気に今しがた考えていたことの提案までしている。彼は溜息を吐きつつも、その考えには賛成らしく、何とも言えないような表情をしたまま「…とりあえず、持ち場に戻ってるから。何かあったら言ってくれ」と話を切り上げ、アリシアの方へ向き直ると小さな声で「…失礼します」とだけ呟いて部屋を飛び出してしまい)
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