グラサンオールバックの悪魔(♀) 2023-07-02 08:48:30 |
通報 |
ほォ…そんじゃ、オレと同じかァ。
(彼女は天使の柔らかな微笑みの底に何かを見たのだろうか。こんなのが『人間どもに信託を寄越すクソ天使サマ』の枠に収まってるなんて、天界の判断基準とやらは自分たちよりも随分狂ってるんじゃないのか、と心の底でぼやきつつもそれとなく「ヘェ」と相槌を打ち、早速運ばれてきたアイスティーを一口、ずっ、と啜る。程良く冷えたアールグレイの風味が喉に染み、内装に気圧されてぼんやりしていた思考が随分スッキリしてきたらしい。…それはそうと、このクソ天使サマ。『普段は悪魔の方とお話をすることがなくて』だって?よくもぬけぬけと言えたもんだ。さっき、ーあんな雑魚と一緒になどされたくないので口に出したくもないがー『同胞』をボロ雑巾みたくポイ捨てしていたクセに『話なんてしたことがない』ってのは傑作だなァ、と彼女は内心で悪態を吐ける程に相手を観察し終わっていた。人畜無害そうな見た目に計算され尽くした話し方、自分の顔がよろしいのを理解した上の計算された振る舞い。まァこんなのに騙されるバカはトコトン、それこそ棄てられるくらいには騙されるだろう、と結論付け、シフォンケーキが来たら帰るか、と考えながら「いンや、オレは特にねェな。煙草買いに来ただけだしよ」と言葉のない問いにサングラス越しの瞳をこれまたきゅう、と細めて答えた。嫌なものを見ないように、他の悪魔どもよりも赤く冴えた気味の悪い瞳を塞ぐための、若干ズレてきていた黒い障壁を指先で押し上げ)
トピック検索 |