銀河鉄道の夜　/ NBL、指名制、無登録

>兎座

良かった。私も楽しいよ。（喜びを滲ませるような柔らかな笑い声を耳にして、釣られて笑顔になる。そうして互いに笑っている、静かでとても優しい時間。面白いことを話しているわけでもないのに、とても心地が良い。こうしているだけで特別でどこか落ち着くのは、ジョバンニとカムパネルラだからだろうか。「蜂蜜の……ああ、髪の色。兎のカムパネルラってことは、兎じゃないカムパネルラもいるってこと？カムパネルラの兎耳は本物？」ハニーブラウンの髪に触れて納得したのも束の間、次から次へと疑問符が浮かぶ。整理をつける前に口に出た言葉は纏まりがなく、遠慮もない。知りたいことを全部知りたいと矢継ぎ早に問うのは好奇心旺盛な子どものようで。長くゆらりと揺れる彼の耳は、ピアスやポニーテールのように視線を奪う。なんとなく気になって仕方がない。じい、と見ながら、もっと近くて見たいと席を立つ。何も考えずにふらりと立ち上がれば、列車の揺れでバランスを崩すだろう）