カムパネルラ 2023-06-22 18:02:23 |
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>烏座
えっ......あ......死、い、いや......
(突如低くなった声にきょとんと驚くと、つらつらと口に出される恐ろしい言葉にびくりと脚を震わせる。美人の真顔は怖いとよく世間で言うが、正にその通りだ。相手が指で弾いた窓ガラスを見ると、そこには先程と変わらぬ満天の星空が広がる。美しい景色も、今は恐怖心をさらに煽り。____もし、降りられなかったら。思いもしない些細な自分の行動で、ここから落ちてしまったら_____喉がヒュッ......っと息を呑む音が聞こえた。脚がまた、先程よりも大きくがくがくと震えだし、自身の無力さを痛感し俯く。するとそこに、明るい笑いが響き顔を上げると、まるで悪魔のような顔でもう一回のチャンスを与えられる。髪に触れられ、相手と目を合わせると、思わず涙が目に浮かんでくる。ここでは、自分が今まで培ってきたプライドというものは、意味を持たないのだ。今まで耐えてきたダムが決壊するかのように大粒の涙を零しながら、所々詰まりながらも敬語で彼に教えて下さいと願う。せめて、せめて泣き声だけはあげないぞと喉に力を込めながら。)
っ......ここは、どこですか、降りるには、どうすればいいですか............教え、て、下さい。お願い......します
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