匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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…っ、わあい、デート!
( 彼の返答に〝デート〟というニュアンスがほのかに、でも確かに混じっている気がして、まるい瞳で彼を見つめたまま一瞬息を呑むと、どきどきと胸は高鳴り、ほわ、と頬を淡く染めながら「ですよね!」と無邪気に笑ってみせて。今日は高校卒業という晴れ舞台だから、わたしに合わせて甘やかしてくれるのかはわからないけれど、幾分が柔らかくも感じる雰囲気と相俟ってつい浮かれてきてしまう。そうして、デートだと弾んだ声音と足取りで向かいながら、早く現場に着いた時や、仕事後に課題を仕上げるのに時間を潰すようになったうちにお店のお姉さんと仲良くなったのだと明かしつつ、足取り弾ませカフェに着けば、明るく出迎えてくれたお姉さんに「卒業しました~っ!」と朗らかに報告しては、きゃっきゃと抱き合いつつ彼に貰った花束を見せたなら『ひなちゃんにすごく似合ってる、かわいい~!』と華やかに少々の雑談していると。施されたメイクレシピについて時折聞かれることがあるのと、語る節々に〝好き〟の気持ちが溢れているせいか、『もしかして担当のヘアメイクさん?』と、にまにま聞かれ。彼女の中では、たまに利用するお洒落な人くらいの認識だった彼が、明確に線と点が繋がった瞬間である。晴れやかな笑みでそれを認めたなら、『ひなちゃんを間にいれて、3人で撮りましょ!』とにししと歯を見せ明朗に提案し、彼がそれに承諾したなら3人での写真撮影後に、卒業祝いにと二人分のドリンクをサービスしてくれるはずで。もしも彼が写真撮影に遠慮したとしても、一生に一度の記念だからと二人から言いくるめられるだろうか )
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