匿名さん 2023-03-24 20:11:47 |
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どっ…どど、どうしよう……──、あっ。
( 扉を開けた先は月明かりもない今宵の天候では闇が広がるばかりで、ごくんと固唾を呑んだ音だけが自身の中でやけに大きく響く。ロケバスから無計画に飛び出してきてしまったため、懐中電灯はおろか彼に貸しているためお守りすら無いことに気が付いてしまえば、さあっと顔は青ざめ喉が締まるような恐怖感に襲われ、動揺ではわはわ波線上に口角の下がる口元へと手を持ってくると、握り締めたままのスマホの存在を漸く思い出しては小さく間抜けな声を漏らして。すぐさまスマホのライトを点灯させればほんの数ミリの恐怖心は和らぐも、光の外の闇がやっぱり怖くて足が竦む。そこで再び「…あ!」小さな閃きの声を溢してはスマホの画面に指を滑らせていき数秒後、画面に映るのはクリスマスに撮ったツーショット写真──の、彼の顔を拡大させたもの。じいい、と見つめ「よし、かっこいい!」と小声ながら強く頷いては〝今助けにいくからね〟と写真に誓い己を奮い立たせると、それをお守り代わりに無機質な院内をそろりそろりへっぴり腰で、けれど確実に進んでいくはずで。大きな声で彼の名前を呼べたら良いのだけれど、なんせ大のホラー苦手。そこの診察室の扉から誰かが覗いていそうだし、処分するためか置きっぱなしの車椅子だって今にも動き出しそうだ。自身の声掛けに彼以外の返答がありそうで行動に至れず、そんな妄想さえも自身の恐怖心のスパイスとなって涙目な双眸を不等号にしながら「す、すぐるさぁん…」と囁き程度の消え入りそうな声で彼を探しつつ、幽霊に気付かれないように院内を彷徨っていれば。見かけた総合案内板の前で立ち止まると、何階まであるのかさえ把握していないため恐る恐るライトを当て潤む目で文字を辿っていくと──〝手術室〟の文字。瞬時にロケバスの中での会話が蘇り、ここで解剖されてるかもしれない!との思いに支配されては先程までよりも少しだけ歩調を早め。声が届かずともちらつくスマホの光で気付きそうだし、と2階はそこそこに3階へ向かうと。なんだか物々しい雰囲気(に感じてるだけ)を前に、ひえ…とノミの心臓は更に縮こまりながらも、強い恐怖心がどきどきと鼓動を響かせ存在を主張してきて。逃げ出したいくらい怖いけれど、彼がこのまま消えていなくなってしまう、そんな世界の方が余程怖くて、一瞬想像しただけでもじわりと視界が潤んでくる。「…み、見つけるまで絶対出ないもん、一緒に帰るんだもん…!」再び己を奮い立たせるように小さく呟きながら、ぎゅっとスマホを持つ手に力が入ったその時。ゆら、自身のスマホから放つ光とは別の光が自身を照らしては、びくーっ!と肩を大きく揺らしながら悲鳴を上げ驚きの余り後退する足が縺れてぺたんと尻餅をつき。矢継ぎ早に言葉を連ねながら身を守るように両腕を顔の前に翳せば、自ずと手に握ったスマホの画面が光の主へと向けられるだろうか )
きゃーーっ!!?ごっごめんなさい、解剖しないでっ!サインならいくらでもするし明るい時間ならライブにだって来ますからっ!!
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( / お心遣いありがとうございます…雪かき大変です…最中もそうなのですがその後の筋肉痛がまた() 明日も雪かきに追われて余裕がなさそうなので、ご承知おきくださいませ…。 )
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