トピ主 2023-02-12 19:15:56 |
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【闇ノ国_テネリタス〈市場〉[シグキン、バチキン]〔ラパン〕】 ??>ミエル|市場ALL
シグキン「…あぁ?」
シグキンはしばらく上空を見上げていると、水バケツを抱えたハイエナの獣人を見て呆れながら「おいおい、そんなんで届くわけないだろ…」と呆れながら話しかけようとしたが、どうやら聞こえていないらしく声をかける前にバシャ、と水が打ち上げられる。
届く筈もない、無慈悲な液体は、非情にもミエルに思いっきり掛かってしまう。シグキンは目を見開いて呆然とした。無理もないだろう、水が掛かった途端ミエルはオレンジ色の何かを撒き散らかして姿を消してしまった。
バチキン「ミエル!?」
バチキンも水が思いっきり打ち上げられた音に気付いてミエルを見るが__時既に遅く、シグキンと同じく消えていくミエルを目撃する。
バチキン「ミエルが溶けちまったバチーーーーー!?!?」
シグキン「どうなってやがる…!」
怒りやらなんやらの感情より先に動揺と混乱が二人を襲う。
まさか水に弱い生物だとは思っていなかったのだ。そして幸か不幸か、この現象のおかげで二人は再び確信する。「ミエルは人間ではない」事を。
シグキンは好奇心か、はたまた液体でも喋れたりするかもしれないというほんの僅かな希望を持って
(実際自分のいる世界では液体でも普通に喋れるやつとかいたし…というのもある)
ミエルだったものに近寄り液体に触れる。ベタつく感触、ドロッとした見た目。「インク」の存在をあまり知らないシグキンからしたら感じた事があまりない感触で、触ってていいものとはあまり思わなかったようだ。
シグキン「うお…なんだこれ…ベタベタすっぞ気持ち悪りぃ」
キノコの住民「もしかしてこれはインクかなあ?」
シグキン「インク?」
バチキン「この人でなし!!お前のせいでミエルが目も当てられない姿になっちまったバチよ!?」
バチキンはほぼ混乱状態でハイエナの獣人に怒鳴りつける。
当たり前だ、ミエルが目の前で爆散するなんて誰も予想していない。故に、こうなる事を一番知らなかったであろう獣人に怒鳴りつけても解決しないのだが、それでもバチキンは自分の複雑化してしまった感情をどこにぶつければいいのかわからなかったのだ。
ラパン「落ち着いてバチキン、水で溶ける生き物なんでワタシもここらの人も知らないから、怒鳴ったってしょうがないよ…」
バチキン「でも!!ミエルが!ミエルが死んじゃったかもしれないバチよ!」
シグキン「…」
ラパンはバチキンの気持ちを理解しつつ宥めようとしたが、「死んじゃったかもしれない」と反論されて黙り込んでしまう。もし死んでしまったら
__
この世界じゃ「あり得ない」なんて言えないのだ。
様々な生物や種族が暮らすこの国じゃ、些細な行動で命を落としてしまう者も少なからずいる。びっくりしてしまうほどに、命というのは繊細で、儚く脆い。
シグキンもその言葉を聞いて沈黙を続けるしかなく、ぐるぐると複雑な感情を頭の中で回らせていた。
今ので本当に命を落としたのなら__ミエルは自分の世界に戻れないまま命を落としたことになる。
しばらくするとバチキンは片目を光らせ、無言でガトリングガンを獣人に向けており。
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