隣国同士の王子様は仲がいい(〆)

(2人きりでの短いながらの撮影会、写真を撮ってくれる相手の執事は仕方ないにしても出来れば他の人にいて欲しくない、そんな思いがアイリスに伝わっていたようで少し驚いてれば相手と相手の執事の返答にアイリスが「はい、失礼します」と言って部屋を去るのを見送りつつも自分の手は相手から離れることはなく握ったままで)

…そんな顔しないの(自分はちらりと横目で相手を確認して、なんとなく察していて、アイリスが出ていくと、相手にそう言って優しめにデコピンをして、「1番はジェルミアだけど、アイリスだって、俺の大事な人なんだからな？」と優しめに注意して)

っ…分かってる、けどさぁ…(相手の痛くないデコピンに少し目を瞑り、再び目を開けてから受けた相手からの注意に少し拗ね気味に呟いていたものの「やっぱりアルベルトとの時間、少しでも2人が良かったんだもん…」と相手がアイリスを大切にしていることは理解しつつもどうしても自身の独占欲には抗えずにいたことを素直に伝えて)

ほんと、独占欲強いんだから(相手の素直な言葉を聞くと、ふっと笑って言うと、相手にぎゅっと抱きついて、「ほら、写真撮ろ？」と言い)

っ…うん！(醜い自分の欲を何だかんだ許してくれる相手の事がやっぱり大好きで、頬を緩め嬉しさで笑顔になりながら頷いてはふと思い出したように「ね、普通に隣同士で撮るのもしたいけど…アルベルトの撮りたい構図も好き何枚分かして良いよ？」と相手に提案して)

いいの？…じゃあ、このまま撮って(相手に隣に立つ写真と、自分の好きな構図の写真を何枚か撮ろうという提案をされると嬉しそうにして、どんな構図にするか考えたが、せっかくならと抱きついたまま、執事に撮れと伝え、執事もそれを聞いてすぐにカメラを構えて撮ってくれて)

(相手への提案に相手が嬉しげにしてるのを見て自分も嬉しくなり頬を緩め、抱き付かれたままの状態で写真を撮られれば嬉しさと照れ臭さで頬が僅かに赤らみながらも「ね、他にはどんな撮り方する？」と相手に聞いてみて)

んー…どうしようかな(執事に撮ってもらい、次はどうしようかと考えていて、特に撮りたかったのは抱きついた状態だった為、悩んでいて)

…ね、何か一緒の身長だから出来るようなポーズとかってある？(相手の悩む様子に自分も少し考えながら待っていれば、ふと相手に問い掛けてみて。自分は同い年の知り合いでも自分の方が背が低い為あまり思い浮かばないものの、相手はそうではなかった筈だからという安易なものではあるが)

同じ身長だから出来るポーズかぁ…(相手の提案にいいなと思うも、写真を撮ることはあまりない上、撮っていたとしても小さい頃が多いため、パッと思いつかず、どうしようかと悩んでいて)

んー…あ、ねぇ。ルファ兄とどんな写真あったっけ？(相手からの返答に少し悩んでいたものの、ふと自分の次兄のことを思い出して問い掛けて。次兄は相手と同い年と言うこともあってか、自分との写真ほどではなかったが、相手と写ってる写真があったような記憶があり、身長も同じくらいだった筈のために聞いてみて)

そっか、ルファとの写真あったかも(どうしようと悩んでいたが、相手からルファとの写真について言われ、確か歳が同じと言うのもあり、身長もほぼ同じだった為、参考になるかもと思い、執事がその会話を聞いて、アルバムを持ってきてくれて、ペラペラと捲り、ルファとの写真を探していて)

あ、ねぇこれ俺のちっちゃい時の…？(相手の隣で相手の捲るアルバムを見ていれば、やはりと言うべきか相手の幼い頃の写真にも恐らくルファであろう子どもが隣に立ってたり、長兄であるリオネルもいたり…と相手の家族との家族ぐるみでの仲の良さが改めて実感できて。そうして見てればすっかり本来の目的が抜け落ちかけてしまっており、ある写真を見て相手にそう話しかけて。それは乳児の自分を恐々と抱き抱える相手の姿を写した写真で)

うわ、すげぇ不安そう(アルバムを捲っていると、懐かしさを感じて、相手が指した写真は、乳児の相手を抱きかかえた写真で、見るからに不安げな自分の顔にくすくすと笑って言い、小さい頃はよく相手家族とも撮ってたなと思い)

あ、こっちの俺泣いてる(すっかり昔の写真を見ることの目的を忘れてしまいつつ少し笑いながら何かが理由で乳児の自分が泣いてそれに慌てている小さな相手の写真を指差しながら笑っては「そっか、アルベルトは俺の赤ちゃんの時にお世話とかしてくれてたんだ…」と少し照れ臭そうに呟いて)

そうだよ、ジェルとは赤ちゃんの時から一緒にいるんだよ(アルバムを捲れば、小さい頃の自分が幼児の相手をお世話している場面が多く、ふふっと笑いながら言い、そんな自分たちを見て、執事が、「アルベルト王子、ジェルミア王子、アルバムを見るのは構いませんが、本来の目的はお忘れではないですか？」と言い)

っへ…(相手の言葉に照れていたものの相手の執事からの指摘の言葉に本当に忘れてしまってたのか一瞬目を丸くしてそちらの方を見ていたものの、少しして「…あっ、ルファ兄とのやつ」と漸く思い出したのか小さく呟いて)

えっ…あ、そうだった(アルバムを見るのが楽しくてすっかり忘れていたが、執事の言葉で思い出し、再び探し始めて)

(改めて相手と次兄ルファの並ぶ写真を探していれば幾つか見付けたものの、その中には幼い自分を相手の足元に座らせたりしているものもあり、乳幼児期の頃すらも本当に相手にベッタリだったんだなぁ…と思っていて)

あ、ねぇ、これとかどう？(どんな構図がいいかと考えつつ、身長が大体同じだったルファとの写真を見ていたが、ふと2、3歳であろう相手を抱っこしている写真を見つけては、それを指さしつつ相手にそう提案してみて)