臣下 2023-01-08 21:16:01 |
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…ふ。…俺とバレてちゃ暗殺にならねぇな…
(冷えた刃が首を這ってもいつも通り平静を乱さず、鼓膜を心地良く震わせる落ち着いた彼の声は全てお見通しかのようにいつもと変わらぬ響き。演技じみた一連がもはや滑稽に思えて小さくだけ鼻から笑い声を漏らすと徐々に刃を持つ手を下ろしていき、愛おしむように背後から抱きしめるだけの片腕のみを残して。何からどう話して良いか、言葉を迷い僅か沈黙が訪れるも唯一自然体で居られる彼の前では沈黙も苦ではない。薄く唇を開くと二人だけの秘密話でもするような低く細めた声で、言葉を選び取りながらぽつりぽつりと呟いて)
…悪かった。…命令とはいえ、レオナルドに刃を向けるなんて。……王宮内に、アンタの死を望んでる奴がいる。…俺はそいつに頼まれて、それで……。ッ、許してくれ…。
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