匿名さん 2022-12-16 23:33:53 |
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え、ええ。ここです(近さゆえに彼の顔をまともに見ることができず、スマホを指さしながら頷く。彼の距離感に少なくとも困惑を感じるが、同時に至近距離に彼がいることを変に意識してしまう。「面白いですよ。えーと……その登場人物も個性的で……」と伝えたいことが山ほどあったはずなのに半分も話せない。一体自分はどうしてしまったのだろう。どうも先程からおかしい。なぜこんなにも彼を、初対面の人間を意識しているのだろう。茶化したような撫でに「ちょっ!」と抗議の声を上げると、再三言いましたよねと言いたげなジト目で彼を一瞥する。彼の楽観的な言葉を聞いていると心が落ち着くが、一方で胸がざわつく。彼と無二の親友になれるかもしれないという希望よりも、もっと黒い未来が待っているような、そんなざわつきだった。そんな不穏な気持ちを押し殺すように「そういえば遠坂さんって普段何されてるんですか?」と身の上話でもと彼に話を振る)
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