通りすがりさん 2022-11-20 19:17:51 |
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…ッ、…。
(最もらしい言い訳で彼も限界がきたようで胸ぐらを捕まれ息が詰まる。僅かな息苦しさを感じていれば20年前から、と聞こえてなんの事だと不思議に思って。問いかけようにも狭まる気道からかすれるような呼吸しか出てこなくて、彼の顔をただ見ることしか出来なくて。本当はそんな泣きそうな顔をさせたい訳では無いのに自分が素直になれないせいで、彼を悲しませている事実を突きつけられて。腕が離れれば数歩後ずさり、シンク手をついてけほっ、と軽く咳き込んで。俯いていれば足音が少しずつ遠ざかる音が聞こえ、止めたくとも自分にその権利がないのは分かっていた。玄関が閉まる音は自分たちの関係が終わるような音で、同時に膝から力が抜けて扉伝いに座り込むとポッカリと空いた喪失感に満たされない空腹のようなものを感じて苦笑いして)
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