名無しさん 2022-11-08 21:24:49 |
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折角作ったのに、発表しないんですか
( 耳に届いた意外な返答に、眉を上げてきょとんとした顔で返す。…彼の曲はいつも完璧で、僕達のシングルとして世に出せるようなものばかりなのに。そんな事を考えながら隣に寄ってきた相手に軽く頭を預ければ、香水もまだ混ざらない彼の匂いがする。少しの間を置き…微量の躊躇いの後、ハミングのように慎ましく声で音符を辿った。傍で手元を覗き込む作曲者は特に今、なんて指定しなかったけれど、…何となく音が溢れてしまったから。「____。」ああ、しゅ/がひょんの曲だ。一音ずつ全部大切にしなければ。ひょんは作曲が上手だから癖なんてものは無いに等しいのだけど、それでもなんとなく心にしっくりくるこの感じが昔から大好きなのだ。1フレーズ歌い切った所でふと数秒余韻に浸るように壁を見詰め沈黙すれば「ミアネヨ。…やっぱり良い曲ですね」相手の方を振り返り目を三日月にしながら笑いかける。突然歌い始めて、彼はびっくりしただろうか。様子を伺うように白い肌に映える切れ長の瞳を覗き込んで。)
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