匿名さん 2022-08-21 15:03:38 |
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(返答に一応の満足をして立ち上がった主人の背後を、使用した痕跡の消えた食器達が浮遊しながら流れて行く。彼の器やカトラリーを用いた食事自体が初めて目にする光景であるため、その魔術も必然未知のものであるが、此処での生活を続けるうちに日常の中に自然と溶け込むそれらに然程大きな反応を示すことも無くなっていれば、そっと行く先を目で追うのみ。代わりに気軽な所作で魔術が行使される度に実感するようになったのは、彼は真に奴隷など必要としておらず、現状こうして生き永らえているのは全て手違いで己の主人となった彼の厚情による賜物だということで。得体の知れぬ少年奴隷との同居に終結の兆しが見え機嫌を良くしているのか、出しかけた脅し文句を途中で引っ込めたその人が仕切り直して告げた伝達事項に、体の中を木枯らしが吹き抜けるような心地がしては発するべき言葉を見失って返事も常の首肯すらも忘れ。そのまま話し終えて自身の横を過ぎて行く主人を見送りながら、せめてもの餞別代わりに残りの期間は指示通り大人しくしていようと誓う傍ら、何かに突き動かされるように席を立てば、扉に向かう背を追い掛けて一、二歩足を出して)
(/お返事がお約束の期限ギリギリになってしまい、また毎度返信ペースが安定せずに申し訳ございません……!/蹴り推奨)
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