俺、おかしくなってないですよね、 (運べ、という命令に立ち尽くしたままに尋ねて。あの、こちらをさっき睨んだ瞳がぞわぞわぞわ、と増殖して顔中を埋め尽くすイメージが脳内を侵食していくような感覚に襲われ。大体精神が壊れるなんて脅すような事をいう彼がいけない、目を瞑っていた筈なのに、見えるはずがないのに、めがあうわけがないのに、と心中の呟きが実際に口から漏れていたのはどこからだっただろう