(使えない、おまけに掴めない怪異に苛立たせられただけの時間に些か不機嫌そうな表情を浮かべたままオフィスの扉を開ける、考え事をしていたせいで気配を消す事を忘れていた自分に気づくのと、今日の所はできるだけ会いたくない相手の背中に怒りが滲み出ているのを視認するのはほぼ同時で。悪戯をしたばかりの犬のようにそそくさと部屋の端を通って自室へと向かおうと