(相手の影の向こう側にゆらゆらと揺れる小さな灯り、深海には光で餌を誘ってぱくりと食べてしまう怪物が居るらしい、なんてずっと昔に聞きかじったせいであやふやになってしまっている噂を思い出す。音もなく刀を抜いてその先を見据えたこちらの瞳は、もしかしたら光を反射して向こう側に気付かれたかもしれない、と考えながら呼吸をすっと潜める、仕事前のいつもの癖を