はいはい。 (留守番をしていた犬にお土産がある訳でもなく、彼の声と共にまたいつも通りの荒っぽい日常が始まる、どこか楽しそうに返事をすると、部屋の片隅の刀を掴んで。手入れをする度血を求めて疼いているようだと感じていた相棒は勿論何も言わないけれどそれでも、この指に確かな熱を伝えてくる。調査官の後に続いて歩きながら「今日は?」、言葉少なな質問はいつも通り調査対象の特徴を聞くもので。