(ぐしゃぐしゃに丸められたメモ用紙のような物をオフィスの床から拾い上げて。ゴミ箱に投げ入れようとして外したのだろうか、自分よりずっと頭も育ちもいい彼は時々こんな風に大雑把な一面を見せる、手の中のそれをそのままゴミ箱へ突っ込んでしまおうと腕を伸ばせば、自分しか居ない部屋の扉の向こう側にふと気配を感じ、当の本人が戻ったのだろうかとそちらへ目を向けて。