あんたこそ、アレに誘われるかと思ってました。 (あの怪異は自分の記憶の奥底に沈めた人間たちにすら変化したのだ、その瞬間に、自分の隣に居る調査官がもう失ってしまった誰かの姿に手を伸ばしやしないかと少しひやりとしたのは事実、例えば金鎖のペンダントに記憶を結びつけたその人、とか。そうなってしまったなら自分は引き留められる自信はない、そんな仮定を想像して、淡々と上記の台詞を述べて