っ、邪魔。(その少年を視界に捉えた瞬間、ぞわりと本能が危険を告げる。そのまま反射的に自分のすぐ前に立つ調査官を、半ば引き摺り倒すような力で強引にこちらへ引き寄せて。「なにか武器は、」こちらは手ぶらの刑務所帰り、武器は大抵何だって扱えるけれどそもそも何もなければ話は始まらない、まさか素手で何とかしろと命令する頓痴気上司はごめんだ、と縋るような気持ちで調査官にそう尋ね