まあ、所詮試し斬りだ。 (男はそう呟くとショルダーバッグから拳銃を取り出し、後ろから狼の怪異の左眼球を狙って引き金を引く。発射された銀の弾丸が怪異の眼球を貫通すると怪異はその場に倒れ込み、動きをぴたりと止める。駆け寄ってきた研究員たちがその怪異を担ぎ上げ、再び独房に放り込んだ所でまだ銃口から白煙の立ち上る拳銃を床に向けながら彼の前に近付き、「ニコラさんの武器だ。間違いはないはずだが?」と厭味ったらしく問うて)