で、あんた名前は。 (自分の言いたい事だけを言って消えてしまった身勝手な彼への小さな愚痴を零す看守と共に退所の手続きを極々簡易的に踏まえ出た先には、先程の不躾な男が待っており。腐敗しきった国とはいえ犯罪者をこうも簡単に解放してしまえる彼は相当の権力者なのかと考えながら、とりあえずその名を尋ねて。そして久しぶりの外の空気を吸えば、決して爽やか、とは言えないが刑務所の中の生臭いそれよりはずっといい、