僕は力仕事は苦手なんだ。 (男は悪びれることもなくそう言い放つと窓の外を眺め、それきり口を閉ざして黙り込む。彼の礼にも軽い会釈を返すだけの運転係の男はそんな男にミラー越しの視線を向けるがそれはほんの一瞬で、すぐに視線を前に戻すと車を走らせ、男の所属機関へ到着すると車を停めて「お運びしますよ」とだけ言ってトランクから怪異を降ろし、彼に先んじて地下の研究室へと運んでいき)