検索 2022-07-09 20:46:55 |
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___よし、なら早速お披露目するか
(互いの相棒が生まれた日を祝し、互いが最期まで相棒であることを宣言し、いついかなる時も共にあることを誓う結婚指輪、それを相手とだけ共有したくて事務所でケースを開けることを提案すれば隣からは笑い声が聞こえてくる。何よりも特別な指輪を初めて見る瞬間すら誰にも見られたくない、自分のものだけにしておきたくてついお楽しみを取っておいてしまった。支払いに関してはかっこよく決めたかったが相手の全て半分この理屈には勝てず二人で得た分から支払うことになった。それも二人で一人の探偵に相応しいのかもしれない。帰る道すがら相手はずっとそわそわとしていて何度も袋に視線を向けてついには腕に抱え込んでしまう、楽しみが隠しきれないその姿に特別な幸せを感じながら事務所へと急いだ。事務所の鍵を開け看板は【CLOSE】のまま中へ入る、いつも通り帽子をしまって上着を脱いで、一通り落ち着いた所で相手に声をかけた。あれだけ楽しみにしていた相手を前にこれ以上お預けなんて出来ないだろう。あの夜に二人で一人に変身して、この事務所で互いに相棒になった。その場所で袋からリングケースを取り出すと相手の左隣に立つ。そこから一歩相手に寄ってピタリと寄り添って視線を交える、小さく笑みを浮かべてから二人の前にリングケースを持ち上げた。「開けるぞ」とまたどこか緊張のまとった声で言ったあと、そっとケースの蓋を開ける。中には白い布地の中に静かに並ぶ二つの、自分達の指輪があった。シンプルなシルバーだが一部風のように波打つデザイン、その内側には二人だけを示す意味が刻まれている。ゆっくりと息を吐くと「俺達の指輪だ」と噛み締めるように言って)
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