検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ん?あぁ、大丈夫だ。……さっきのがあるしな
(相手に留守番を頼むと伺うような視線が向けられ目を瞬かせる、その後同行を問われると少々驚いた後小さく笑みを浮かべ首を振る。これまで昼間に依頼を受けていた関係で基本的には全てをひとりでこなしていた、夜の依頼に気紛れで相手が着いてくることもあったがそんな流れもあって今回の依頼も当たり前にひとりで行くつもりだった。先程あんな話をしたばかりなのもあってこちらを気遣ってくれたのだろう、その想いに口元が緩みそうになるのを無理やり引き締めながら相手に近づくと依頼人に気づかれないように耳打ちをする。万一があっても先程のおまじないが効いてくれるはずだ。それに大切に思う相手を危険な場所に連れていきたくない、どんなに相手が丈夫であろうとそれは危険に晒していい理由にはならないだろう。日もすっかり落ちて厚着も必要なさそうだ、ハットを被ると「じゃあ行ってくる」と軽く手を振ってから依頼人と事務所を出た。そこからは、結論から言えば依頼人の予想通りだった。チップの引渡し兼会食を行う会場を仮面を被った男達に襲撃されたのだ。バットやらナイフやら物騒なものを持っていたが正直眷属となった体の前では太刀打ちできるものではない、バットの打撃は感じないしナイフで切り裂かれて血は出るものの直ぐに止まってしまう。それなりに苦戦するフリをして力加減を気をつける方が大変だった。結果的に会場にいた依頼人を含む全員を守りきり無事に交渉は終了、襲撃犯は全員警察に引き渡した。依頼料は後日振り込んでくれるとのことで依頼人とも別れて事務所へ帰ってくる、体はなんともないが殴られたり切りつけられた痕跡は残っていて、多少体力を使った関係で喉は渇きを覚えている。そうなれば欲しいものは決まっていて扉を開けて事務所へ入ると「ただいま。…フィリップ?」と相手を呼んで)
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