検索 2022-07-09 20:46:55 |
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なんだよジンさん……えっ?!いや、あーそれは……ほら俺がもっとハードボイルドになったってことだろ?
(こちらの体はすっかり作り変えられたらしく同じく相手の血はこちらにとっても甘美なものらしい、それは先程十分に経験したもので目を泳がせながら頷いていた。命を分け合うだけでなく互いの血が最高の食事で食い合う関係にあるのだと思えば何とも背徳的で、しかし二人きりで完結する世界に腹の底まで幸福で満たされてしまう。とはいえ相手の仕草に心臓が撃ち抜かれるのは相変わらずで赤い顔を隠す為にジンさんを呼んだ。それに、初めてこの体の血を吸って貰う時は二人きりで誰にも邪魔されない場所がいい。こちらが警察を呼ぶあいだ相手は催眠を使って男の記憶をいじっている、これで人間を超えた力を持つ存在のことは忘れてくれるだろう。その後はいつも通り事の顛末の説明や金庫の引渡しを進めていたが途中妙な視線を感じてそちらへ顔を向ける、視線の主はジンさんだ。こちらを見つめる姿に訝しげな顔をしていたが図星を突かれる指摘を受ければ目を見開いて思わず間の抜けた声を出してしまった。眷属にはなったがまだ見た目に明確な変化は訪れていない、それなのに人間を外れたことをよりにもよってジンさんに当てられてしまうとは思わなかった。なんとか言い訳を探すも思いつかずいつも通りに返してみるが『そんな訳あるか』とツボ押しで頭をこずかれてしまい「いって」とまったく痛くないのに口にしておく。ジンさんが首を傾げながら離れたところで相手に近寄ると「なんでバレてんだよ、ジンさん吸血鬼ハンターの末裔とかじゃねぇよな?!」と伝承を元にした憶測の憶測を耳打ちして)
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