検索 2022-07-09 20:46:55 |
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フィ、リップ……ずっと、…言わなきゃ、ならねぇと思ってた……お前は、俺が人間の世界、から…外れるのを嫌がってたけど……俺はもう、…お前と出会って、世界を…変えられちまって、んだよ、…
(体から血と力が抜けていく、なんとか伸ばした手を相手が掴むがいつもは冷たいと感じるそれさえも今は暖かく感じた。パニックに陥る相手を少しでも落ち着かせるために頭や頬を撫でてやりたいのにそのための力ももう残っていない。相手に握り締められた手を握り返そうとするもそこに込められる力も失われていった。いつか必ず訪れる別れに痛みを感じていたがまさかこんなに早くその時が訪れるとは思わなかった、人間の世界で行われるハロウィンというイベントを楽しんで欲しかったのにこれでは辛い思い出になってしまうだろうか。相手にこんな悲痛な顔も想いもさせたくないのに体は言うことを聞かず血が流れ出していく、しかし相手がより一層強く手を握ってガレージでの会話を持ち出せば目を僅かに開いて瞳を揺らした。失われていく思考の中でもその意味はハッキリと分かる。どちらにせよ時間はもう少ない、軋ませながら胸に押し込めた想いを伝えるために大きく息を吸うと赤く染まる視界の中で相手を真っ直ぐ見つめる。そして口を開いて自らの気持ちを伝えた。何度も繰り返した押し問答の中で気づいていたのに相手を困らせるかもしれないと口に出来なかった想い、力を込められない代わりに血に塗れた人差し指を相手の指に絡ませ繋げると「俺は、お前が好きだ、フィリップ…お前の一生が、欲しい…それが永遠、なら…俺も…そうなりたい」と自らの想いと願いを伝えて)
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