検索 2022-07-09 20:46:55 |
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……っ、……それだけは、ダメだ……俺達は、罪を、数えさせるだけで……罪を、裁くのは警察や裁判所の、仕事…だ……
(痛みに耐えるのに必死で他のことに気が回らない、そんな状態ではこちらに向かってナイフが振り上げられても反応することすら出来なかった。しかし直後空気を震わせるほどの声が響いて風よりも早い何かが横を通り過ぎていく、派手な音の後に漸く相手がいることに気が付き安堵するが、その手が犯人を絞め殺そうとしているのが見えれば一気に正気を取り戻した。慌てて駆け寄るが足がもつれてほぼ倒れ込むようにして後ろからしがみつく、この街の探偵として超えてはいけない一線を口にしようとするが何故か口は上手く回らなかった。しかし相手が例え人智を超えた存在だとしてもこの街の人を殺した事実を作りたくなくて必死に手を伸ばして首を絞める手に自分の手を重ねる、その手が自分の血に塗れていることには気が付かなかった。男の首から手を剥がそうとするが力を込めることすら出来ない、相手に血を与える時はあんなに心地好いのになぜ傷口から血が溢れ出すのはこんなにも苦痛なのか理解出来なかった。そのまま血と共に力は失われて相手の背中からずり落ちるようにして地面へと倒れる、シャツを自らの血で真っ赤に染めながらも再び相手に手を伸ばせば「フィリップ、…」と名前を呼んで)
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