検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…ありがとよ、フィリップ。……な、待て待てっ!このまま出ていけるわけねぇだろ!!下ろせ!
(空を飛ぶという感覚は何度経験しても慣れない、先程あんな話をしたあとではこれも相手との間にある決して埋められない差なのだと思ってしまって胸に痛みが突き刺さるが相手の軽い笑みを前にこちらも同じく小さく笑みを浮かべていた。そのままガレージを出れば抱えられたまま帽子が選ばれ被せられる、拘りの帽子を相手に選ばせて良いくらいには気を許していて抱えられたまま世話を焼かれるなんて甘やかされる行為に照れ臭そうに笑って、同時に胸の痛みは少し和らいだ。いつもクールでハードボイルドな男で居ようとしているが相手の前では不意に肩の荷を下ろしてしまう、それは相手が吸血鬼という長命で人智を超えた存在であるから以上に相手だからというシンプルな理由なのだがそれを伝えたことはなかった。擽ったい気持ちになっている間にいつの間にか事務所を出て階段を下っているのに気が付く、そこでようやくハッとして相手の腕をバシバシと叩いて制すると無理やり腕の中から抜け出した。危ないところだったと息をつけば「俺のハードボイルドなイメージが崩れるとこだったぜ」と一人呟く。咳払いをして改めて相手の方を向けば「会場は風.都.タ,ワ,ーの周りだ。ちゃんと人間のフリしろよ?」と釘を刺して)
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