検索 2022-07-09 20:46:55 |
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特に変わったことはねぇ…けど……
(ガレージの扉を開ける瞬間、一瞬の不安は過ぎったが螺旋階段に出てすぐソファの方を見ればそこには先程とは違いきちんと相手がいてその顔に笑みが浮かんでいればこちらの心も暖かくなる。逸る気持ちのまま階段を駆け下りて相手の元に向かった。腕の中にいた邪魔者を取り去ると相手の視線は一瞬そちらへ向くが抱き締めれば意識はこちらへ戻ってきて、抱き締め返されるとふわふわとした浮かれた幸せが湧き上がった。擦り寄る相手に軽く笑い声を漏らしながら顔を上げて目線があう、外の世界は至って普通で特に問題は無かった。だからといって相手にとっての脅威が存在していることは変わりないのだが。しかし愛しい相手の顔を見つめていればあのガレージを開ける瞬間に感じた不安がゆらりと台頭して僅かに目を伏せる。相手がこちらの選択を受け入れてくれたことはこの上なく嬉しい、しかしどうしても最初に扉を開けて相手がいなかった時の絶望が忘れられなかった。相手の肩口に方を埋めて軽く擦り寄ると「フィリップ、」と弱々しく名前を呼ぶ。決して逃がさないように腕の力を強めながら「もうひとつ、俺の願いを聞いてくれねぇか?」と伺うように問いかけて)
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