検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…あぁ、…全速力で帰ってくる
(ここから一歩たりとも離れたくないのだが相手が健やかに生活出来ないのは困る、このガレージで一生を過ごすのだから衣食住は充実させなければ。陽の射さないガレージに監禁することが既に健やかな生活の条件から外れているのは陰る瞳では気づかない、閉じ込める対象である愛しい相手も同じ瞳の色なら尚更だ。だが一旦ここを離れることを宣言すれば相手の表情が一瞬暗くなる、もう一緒に外には出られないのなら移動中は離れ離れになってしまって今までよりも同じ時間を共有出来ないのは少々寂しい面もあった。だがこれも相手を守るためだ、相手の命を狙う人間がいる世界に大切な存在を連れていくことなんて出来ない。ゆっくりと腕を解くが直ぐに服を掴まれて不安げにお願いがされればそのいじらしさに胸は強く掴まれてしまう。再び相手の方に寄って軽く抱き締めると唇を重ねる、これから感じる寂しさを先に埋めるように長い時間重ね緩慢な動きでそこを擦り合わせてこちらの存在を刻んだ後ゆっくりとまた離れた。恋人の願いを叶えるため全てを最速で終わらせなければ。最後に軽く頭を撫でてから「直ぐに終わらせるからな」と約束を口にし相手に背を向ける。あのワイヤーがある限り先程のように相手がソファから離れることはないだろう、それに相手はもう自分の願いを受け入れてくれている。何も心配することはなくて上機嫌なまま駆け足で螺旋階段を登ると最後にまたちらりと相手の方を見て軽く手を振ってから扉を抜けて)
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