検索 2022-07-09 20:46:55 |
|
通報 |
…、だろ?ハードボイルドな男は自然とハードボイルドな選択をしちまうもんだな
(何よりも雰囲気を重視するこの空間を崩すわけにはいかないのと、この拘りの空間に見合うようなハードボイルドな男でありたい気持ちが先行して中身そっちのけで知らないメニューを頼んでしまった。相手が頼んでいたコーヒーの方が聞いた事があってマスターが去ってから場にあった注文だったのだろうかとソワソワしてしまう。一刻も早くこの状況を解消するために相手に頼んだメニューの答え合わせをしようとするがその前に褒め言葉が飛んできた。普段担当なこともあって相手の方が圧倒的にコーヒーの知識は多い、その相手が流石だと褒めるのならきっと間違いはないのだろう。堂々とキメ顔をしながら人差し指で軽く帽子の縁を弾いてニヒルに笑う、今まさに自分は最高にハードボイルドな探偵だろう。その後木製の椅子に軽く寄りかかりながら頻繁に帽子をいじって位置を調整しながらコーヒーを待つ、程なくしてマスターが『お待たせしました』と二人分のコーヒーを持ってきた。相手の方にはカップが置かれたのにこちらの方にはグラスが置かれて目を瞬かせる、その間にマスターは『ごゆっくり』という言葉と共に去ってしまった。ハードボイルドな男と言えば当然ホットコーヒーだろうと勝手に思っていたのに目の前に置かれたアイスコーヒーを暫く見つめながら目が点になってしまう。何度か瞬きしたあと漸く視線を相手に向けて「……あってんのかこれ?」と最大限声量を落として聞いて)
| トピック検索 |