検索 2022-07-09 20:46:55 |
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へぇ、僕も他人が入れたコーヒーを飲む機会はあまりないしこだわりがあるなら楽しみだ
(こちらが支度を終えても相手はハットをどれにするかで悩み、鏡の前で慎重に角度を調整しているのを見ればつい口元が緩む。それほどこれから行くところを楽しみにしているのだと思えば何とも微笑ましい。以前相手に送ったハットを被って準備が完了したようで一緒に事務所を後にするがその道中も左隣で上機嫌に歩く相手を見れば物珍しそうについ視線を向けてしまう。妙にキザっぽい口調でその店のこだわりを語られると相手のノリに乗っかる形で楽しみだと口にする。普段は喫茶店のスイーツが目的で足を運ぶことが多くてコーヒーに力を入れた店はそう多くない。そのこだわりや違いを知ることが出来れば今後事務所などでコーヒーを入れるときの参考になるかもしれない、などと思考を巡らせながら街の中心から離れた店を目指す。まるっきりご機嫌なのを隠しきれない相手をちらちらと見ながら進んでいけば道にポツンと目的の店が見えてくる。最近できたと紹介されていたが焦げ茶色の煉瓦と深い黒の木材が組み合わされた外壁が静かな佇まいをしていてアンティークのランプが入口を照らしている。扉の横には黒板が置いてあって【本日の珈琲】として手描きで豆の名前と産地が記されていた。扉の外からも独特な空気を感じれば思わず控えめな声で「…入ってみるかい?」と問いかけ)
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