検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…そりゃ触りたくな、ッ?!……そうだな。彼女も物語の登場人物なら物語がある場所にいるはずだ
(相手の頭にあるふわふわの猫耳に触れると直ぐ様抗議の声と共に耳がピンと立つ、正直その反応も可愛らしく構いたくなるもので撫で続けていると徐々にその目は細くなった。持ち上げたしっぽは手の中で小さく振られてこちらへと巻きついてくる、親愛の証にまた胸が掴まれると撫でるのに夢中になってしまいそうだったが近くの草むらが揺れると油断しきっていたせいか肩が思いっきり跳ねてしまった。その間に相手から引き剥がされてしまい少々の物寂しさを覚えるが軽く頭を振る、今まさに不可思議な状況に巻き込まれているのだから少しも油断するわけにはいかないだろう。気を取り直すと真面目な顔付きで彼女を探すべきという相手に同意する、しかし後ろで揺れる大きなしっぽにチラチラとまた目線を奪われてしまって早く事を解決しなければと軽く息を吐いた。あの扉をくぐって落ちたのはきっと物語冒頭のウサギの穴、ここは不思議の国の入口と言ったところだろう。アリスの物語には様々な場所が出てくるがその何処かに彼女がいるはずだ、ことの真相を確かめるためにもひとまずこの場から歩き出すことにした。キノコの森を歩いているとだんだんと周囲は普通の木々に切り替わっていく、暫くは音のない静かな森だったがやがて汽笛に似た音や何かのメロディが聞こえてきてその音に導かれるように進んで行った。やがて木々が少し開けた場所に出る、そこには大きなテーブルがありお菓子やお茶やらが所狭しと並んでいてぐるりと囲むように並べられた椅子のうち二つに帽子を被った男とうさぎ耳を生やした男がいて「これって…お茶会のとこ、だよな?」と確認するように相手に耳打ちして)
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