検索 2022-07-09 20:46:55 |
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ああ、今回ばかりはメモリの能力に感謝してもいいかもしれない。…僕たちもあんな風にこの街で歳を重ねてたくさんの思い出を抱えるようになりたいね
(話をそこそこに相手が元の服の入った紙袋を渡して三人だけで笑う、メモリの効果も含め今日の出来事は自分たちだけの秘密だろう。驚いている依頼人を他所にこちらからも「またね、キミちゃん。健康には気を付けてね」と手を振って二人とは別れた。ゆっくりと去っていくのを見届けると相手から今回の依頼について話が振られる。はじめは人捜しだったがメモリの存在に気付いたことから始まり随分と騒がしい一日だった。だがあの失敗作のメモリがあったからこそ彼女は若いからだでやりたいことをやってはしゃぐことができたのだろう。今日の出来事が彼女にとって良い時間であったことを願うばかりだ。冗談交じりに頷きつつも時々感じ取れた積み重ねた時間の重さを思い出すとぽつりと思ったことをつぶやく。将来について深く考えたことはなかったがこの街で過ごして大切なものに囲まれていろんな経験をして、思えば彼女は理想的な将来の姿かもしれない。相手のような大切な人を失ってしまっていることを除いてだが。歳を重ねた人に触れ珍しく将来のことを考えたものの少々恥ずかしくなってくれば「君がおじいさんになった姿とかあまり想像できないけど」とからかうように笑って)
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