検索 2022-07-09 20:46:55 |
|
通報 |
ッ!……いらねぇ!!…、…
(相手に伸びてきたと思った手は懇意にしている駄菓子屋の店主のものだった、街を見て回る時に前を通る店でもあって自分が小さい頃から世話になっている人でもある。そんな人の手を乱暴に掴んでしまった事に半分戸惑いと半分罪悪感を抱えなんとか場と自分の気持ちを紛らわせようとした。相手と店主の挨拶も和やかに終わった矢先に店主は鞄を漁って何かを取り出す、出てきたのはあの時に盗聴器を仕込まれていたのと同じふ,う,と,く,んのマスコットで顔が引きつってしまった。店主とは長い付き合いで小さい頃からこちらがふ.う.と.く.ん.が好きなのを知っている、これを差し出しているのも100%の善意だ。それを分かっているのにもしかしたらと警戒してしまう、視界の端に相手の姿が映ると同じく身を固めているのが見えて相手を守らなければと思いが膨らんでぶわりと全身に血が巡った。視界が真っ赤に染まる感覚の間に店主はまた鞄を漁り始めて、そこから光るものが出てくるのではと思えば即座に体は動いて相手を後ろにやりながら店主が鞄を漁る手首を強く掴んで後ろに押しやってしまった。コンビニ中にこちらの叫び声が響き一瞬時が止まる、一拍遅れて店主が呆気に取られた顔をしているのに気がつくと漸く自分が掴みかかっていることに気がついて「すまねぇ、」と慌てて手を離した。店主は目を瞬かせていたが、やがて『翔太郎くん顔色悪いね。高校生の時もそんな顔してたことあったかな…良かったらまたうちの店おいで。美味しいお菓子用意してるから』とにこやかに言うとこちらの肩を軽く叩いて相手に軽く笑みを向けるとその場を去ってしまった。その間呆然と立ち尽くしかなかったが店主がコンビニを出たところで「何やってんだ俺は…」と弱々しく呟いて)
| トピック検索 |