検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…しょう、たろう? …ぜんぶ、僕が独断でしたことだ…彼女たちに、君を傷つけさせたく、なかったからね
(何かに導かれるように薄っすら瞼を開くとぼんやりと天井を見上げる。まだ感覚が覚束なくて夢の中に居るような心地で揺蕩っていたがその視界の中に違う物が映れば視線はそちらを向いた。何かが近づいてきて頬に温かさを感じれば意識を失う前の縋るような顔と目の前の悲痛な表情を浮かべる相手の顔が重なってその大切な人の名前を呼んだ。段々とその時の記憶が蘇り今見える景色と着ている服を見ればあのまま力尽きてしまって処置の為に病院に運ばれたのだと理解する。そして相手が深い後悔や不安の中に居たことが推測出来ればゆっくりと手を伸ばして相手の手を僅かに握る。目覚めたばかりのせいか上手く口は回らないがそれでも謝罪を重ねる相手のせいではないと伝えたくて途切れ途切れに言葉を紡ぐ。医師の診断は聞いていないがあの時刺された場所と処置の痕を見るに深く刺さりはしたが臓器までは到達しなかったのだろう。少しずれていれば致命傷になっていたのはさておき、相手の手を確かめるようにまた力を込めると「あれくらいじゃ、死なないって言っただろう?」と軽く笑みを浮かべて見せて)
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