検索 2022-07-09 20:46:55 |
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この状態で言うことじゃねぇだろ!…馬鹿野郎、なんで庇ったんだよ……ッ、フィリップ!ダメだ寝るな!フィリップっ!!
(支えた相手の体はみるみると力が抜けていきその体温さえも失われていって相手がこの手から零れ落ちていく感覚に上手く酸素を取り込めなくて呼吸が浅くなる。相手の呼吸はそれ以上に浅くて生命が目の前で消えていくようで頭が真っ白になっていく。それなのに相手はこちらを焦点の合わない目でみて微笑んでいてそれが今生の別れ際に見せる笑みに見えれば相手を取りこぼしたくなくて支える手に力が籠った。相手の手がフラフラと上がってこちらの手に重なる、しかしその手は相手自身の血で染まっていて直接的な死の予感に瞳が揺れた。添えられた手をこちらから包んで強く握る、その指先が恐ろしく冷たくて動揺で吐き出す息が震えた。苦々しい顔であの時あのまま自分が、と口にするが逆の立場ならば必ず自分も同じことをする、相手の行動原理は分かるがそれでも相手を失うなんて耐えられることではない。相手がこちらの名前を呼ぼうとするがそれが途切れて目が閉じられようとする、このまま相手が死んでしまうのではと頭に過ぎれば夢中で相手の名前を叫んだ。相手を呼ぶだけしか出来ないのがただただ無力で声が枯れるのもお構い無しに必死に名前を呼んで手を握って相手の意識を繋ぎ止めようとしていた。不意に肩に誰かの手が置かれて振り返る、そこには救急隊員がいて『病院に運びます!』と声が掛けられる。いつの間にか周囲には救急車とパトカーがいくつも止まっている、梓と綾音は警察に連れていかれているところだった。「お願いします!」と相手を救急隊員に引渡し一緒に救急車に乗る、意識レベルが低いらしく『呼びかけ続けてください!』と言われれば救急車の中でも血塗れの手を握ったまま「フィリップ!しっかりしろフィリップ!!」と名前を呼び続けて)
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