検索 2022-07-09 20:46:55 |
|
通報 |
_____ッ!!フィリップ!!!
(包丁をこちらに構えた綾音さんが近づいてくる、対処の為に動くことも出来ない今ただこちらに迫る刃を見つめることしか出来なかった。痛みを覚悟した矢先に何かがこちらの体を押し退ける、そして彼女との間に割り込んだ。その人影が誰なのかはすぐに分かってそこからは息をするのを忘れてしまう。立ち塞がる相棒で恋人でこの世で一番大切な人、その人の体に彼女の持つ包丁は吸い込まれていく。目の前で起こる光景を認識しているのに受け入れる事が出来なくて世界が急速に冷たく色褪せていく気がした。しかし相手の絞り出したような苦しげな声で意識を取り戻す、そして無意識のうちに声の限り相手の名前を叫んでいた。相手が刺されたというのにこの姉妹はそれを喜ぶように笑っていてブツリと頭の中の糸がちぎれる、こちらを強く掴む手を力を込めて無理やり引き剥がすと爪をたてられたままだった腕には赤い筋が走るが今はそんなことはどうでもいい。薄い息のまま背後から相手へ近づくと包丁を持つ綾音の手首を素早く握って加減を忘れて強く握る、すると先程まで恍惚と笑っていた彼女は悲鳴を上げた。彼女の握力が弱った所でこれ以上ナイフが動かないように相手の手を慎重に外させると相手の体を支えて「絶対動くなよ!」と言いながら相手の体をゆっくり地面へ寝かせた。包丁は深く入り込んでしまっている、下手に動かせば血管を塞ぐものが無くなって更に大量の血を流してしまうだろう。相手の体を支えていると背後から梓と綾音は『ねぇ翔太郎指輪は?』だとか『早くお姉ちゃんと結ばれて』だとか雑音を発していてそれにまた頭の中で何かが切れる音がすると「これ以上俺達に構うな!!」と叫んだ。周囲一帯に声が響き渡る、どうやら騒動を聞きつけたらしい人が集まってきていて警察と救急車を呼んでくれているようだ。相手の頬に手をあてながら「すまねぇ、俺が油断したから……もう一人いるって知ってたのに……フィリップ、」と不安と後悔が入り交じった目を相手に向けつつ呼びかけて意識を保とうとして)
| トピック検索 |