検索 2022-07-09 20:46:55 |
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っ、…俺は絶対にこれをつけねぇ。だから、
(彼女の中で愛情と深く結びつき過ぎている指輪、それをハッキリとした言葉と共につき返せば彼女の中でもその意味は通ったようで表情が失われていく。彼女の行動は迷惑であることは間違いないのだが自分の一言で失意に陥る姿はやはり胸が痛むものがあった。彼女は震えながらまた自分だけの世界の言葉を語り出す、それでも指輪を差し出し続けると突然腕を掴まれてしまった。そして指輪をむしり取られると無理やり指に付けようとしてくる、我を失っているせいか掴む力は痛みを感じるほどで一瞬顔を歪ませた。慌てた様子で相手が飛びついてきて彼女を引き剥がそうとする、こちらも腕を振りほどこうとするが血が滲みそうなほど爪が食いこんで動かす事ができない。火事場の馬鹿力と言ったところだろうか。再び言葉によって彼女を動揺させようとするが全てを言い切る前に『何してるの?』と別の女性の声が聞こえてくる。そちらを見れば彼女と何処と無く雰囲気が似ている女性が立っている、きっと妹である綾音さんだろう。綾音さんはゆらりとこちらへ近づいてくる、その顔は何処かやつれて目元は窪んでいて『なんで指輪しないの?お姉ちゃんの運命の人なんでしょ?早くお姉ちゃんと幸せになってよ。はやく…はやく!!じゃないと私の番にならないじゃない!』とまた正気ではない叫び声が響いて彼女は手元のバッグからゆっくりと光るものを取り出した。その手に握られていたのは包丁でスっと体が冷たくなる、女性二人ならば制圧することだって出来るだろうが今綾音さん側の腕は梓さんに掴まれていて自由に動かせず三人を巻き込んだこの揉み合いから離脱するのは難しい。次の瞬間に彼女が包丁を構えてこちらへと迫る、為す術はなくて狂気に染まった彼女の顔をただ呆然と見つめることしか出来なくて)
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