検索 2022-07-09 20:46:55 |
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っ、…あー、じゃあな
(あの日、二人で並んだ時により特別になるよう選んだ特別な香り、それが今や彼女の香水一色に塗りつぶされてしまって少なからず動揺していた。彼女は自分達がペアリングの香水をつけているのに気がついてこちらに香水を振りかけたのだろうか、有無を言わさず無理やりお揃いになったことに、そして連日出会ってしまう彼女が運命というこの出会いに、違和感と僅かばかりの嫌悪感を抱いてしまう。こちらが動けない間に相手は無理やり腕を引いて体勢が崩れた直後相手の背中が視界に入る、どうやら彼女は倒れずに済んだらしく一安心した。だがこちらに背中を向けた相手は敵意を隠さずに彼女を拒絶する言葉を告げる、その間彼女は何を言われているのか分からないといったキョトンとした顔をして『えぇ?私は似合うと思うよ?私とお揃いだし』と悪気のない声で言うがそれさえも相手の更なる追撃に遮られた。相手は腕を引き無理やりこの場から離れようとする、無難な挨拶をするが彼女はこちらに近づき手の甲から小指にかけてするりと撫でて『またね!』と次を思わせる言葉をかけていた。去っていく二人の背後で彼女が舌打ちをしたのは知る由もない。十分距離が空いたところを見計らうと隣へと並んで「フィリップ、気持ちは分かるがさっきのはやりすぎだ」と窘めるように声をかけて)
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