検索 2022-07-09 20:46:55 |
|
通報 |
…何言ってんだ。忘れてんだからどんな内容かなんてまだわかんねぇだろ。家族も、…親友もいるかもしんねぇし
(相手が理屈を超えてでも欲した過去は結局偽りで探るように問いかければその瞳は揺れる、当然だが簡単に割り切れるものでもないだろう。少しだけ相手はこちらを向くが目線は合わない。心の痛みを庇うように相手は自分の過去に否定的な見解を連ねる、その声は掠れていて痛みや消失感に耐えているのは一目瞭然だ。相手の言葉にゆっくりと首を振る、相手がいた場所は確かに最悪だったがだからといって相手が最悪であるわけではない。過去も全て含めてだ。両親がいて兄弟がいて暖かい家族に囲まれていたかもしれない、何処かの学校に通って幼馴染や、健人と康介のような親友がいたかもしれない。そうやって相手の過去を肯定しようとするが【親友】というキーワードには胸の奥がじわりと痛む。誰かとの特別な関係を表す言葉のひとつ、相棒で恋人である相手とは親友という言葉は相応しくなくて、だがそれはそこが空席であることを示す。相手も知らない誰かがその席に座っていたかもしれないと意味の無い想像をして意味もなく胸が苦しくなって、馬鹿馬鹿しいと目線が落ちる。そうやって歩いていると相手が突然立ち止まって振り返る、すると謝罪が告げられて一瞬動きを止めた。どう言葉を伝えようかと考えながら相手に近づき肩に手を置くと「俺も過去同じようなことしたんだからお互い様だろ?」と無理やり笑みを浮かべる。軽く視線を惑わせたあとに「…それに、お前が記憶を取り戻した時のこと考える機会にもなったしな」と感情を抑えた口調で言えばまた小さく笑みを向けて)
| トピック検索 |