検索 2022-07-09 20:46:55 |
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(簡易ベッドの狭い空間に逃げ込んでしまえば向こうからはガレージへと続く扉が強い音を立てて閉まる、お互い今は話したくないということだろう。ひとりになって目を瞑るが思考が溢れて眠気はひとつもやってこない。健人は怪しい、その家族も不穏だ。だがそれだけと言えばそれだけで、自分の願望が偏った見方をさせているのではと問いかければ、ハッキリと違うとは言いきれない気がした。相手は誰より特別でもう隣から欠けているところなんて想像ができない、だがそれはあくまでもフィリップとしての話だ。もし健人の言うことが全て本当で、親友がいるような学校生活を今からでも相手が取り戻せるとしたら、それを止める権利は自分にはない。フィリップを呼ぶことは出来てもライトを呼ぶことは出来ない。相手が抜け落ちてしまった過去を取り戻せるならば、ライトとして送り出すべきだろうか。その時に、相手が隣から居なくなることに耐えられるだろうか。だが一方でどうしても健人への疑念は拭いきれない、感情を抜きにして探偵の勘が何かがあるはずと背中を押し続けている。相手と話をするのはきっと無理だ、ならば相手が彼の家に行くのは止められない。こちらにできることはこの探偵の勘の正体を探ること、何も無ければそれはそれでいいのだから。考えを巡らせていればいつの間にか終業時間になっている、相手はガレージから上がってくる様子はなくてまた顔を合わせれば言い合いになってしまうことを考えればゆっくりとベッドから立ち上がる。そしてそのままガレージの扉へ向かうとそこは開けずに帽子だけを取って事務所を出ていった。そのまま翌朝まで事務所に帰らなければ相手が起きだして上がってきた事務所スペースには当然誰もいなくて、静かな空間だけが広がってきて)
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