検索 2022-07-09 20:46:55 |
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…………そいつはフィリップだろ
(アイスコーヒーを出したあと二人きりの空間にするためにその場を離れるがやはりもやもやは晴れない、歳上ならそれくらい弁えるべきだろうと言い聞かせるも心はその理屈に全くついていけていなかった。とはいえ事務所内は狭く二人の会話は丸聞こえで書き物をする振りをしながら耳をそば立ててしまう、どうやら二人は年単位での仲らしく中学時代の最初から共に過ごす間柄だったらしい。一緒に宿題をして昼飯を食べて登下校も同じとなれば相当の仲だったのだろう。過去夢の中で相手と共に学生時代を過ごした記憶が塗りつぶされていくようで上手く息ができない、それらは真っ赤な嘘なのだから本物の記憶に塗りつぶされてしまうのも当然なのだが。話の中で相手はいつも自分が呼ぶ名前とは違う名前で呼ばれてそれを嬉々として受け入れている。自分の知っている相手が少しずつ覆い隠されていくような感覚に思わず自分にしか聞こえない声で呟きをこぼしていた。せっかくここを尋ねてきてくれた元同級生なのに邪険に思うとは失礼だ、相手の記憶の手がかりも持っているのにと軽く頭を振って思考を追い出していた。そんな探偵を他所に健人は相手との思い出話に夢中なようで『ライトなら探偵としても優秀なんだろうなぁ、足も早いし。ほら、運動会の時毎回リレーでアンカー走ってたから今も足早いんだろ?』とまた相手の記憶にない思い出を語っていて)
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